【フリーゲーム】Rotation Girlの感想
まえがき
※ネタバレまみれですご注意ください。
モスー氏作の名作フリーゲームSCE2*1の製作情報Twitterアカウント*2がリツイートしていたフリーゲームRotation Girlが気になったので遊んで見ました。
このRotation GirlはSCE2と同じくモスー氏製作のフリーじゃない有料のゲーム*3 「双葉の歌姫」をリスペクトした作品でゲームシステム、ストーリー、独特のテキストから醸し出される雰囲気までかなり高いレベルで「双葉の歌姫」"風"に仕上がっている良作です。
この記事ではリスペクト元のモスゲーを知らない人でも楽しく読めるよう、そして双葉の歌姫とSCE2の遊んだ記憶とセーブデータが見つからない*4自分が楽して執筆できるように、モスゲーの話題はこのまえがき以外極力控えることを意識してRotation Girlの感想を書き記します。
SCE2製作情報Twitterアカウントがリツイートしていたツイートはこちら
https://t.co/JBm90DfsHS
— ヨシカワ (@WithFranny) 2018年1月21日
Rotation Girlを更新しました。ちょっとした分岐ルートの追加が主です。 pic.twitter.com/NhpSBLSSaH
Rotation Girlを遊んで見たい方はコチラからDLして遊べます。
あらすじ
よくわかりません。
雰囲気を感じるゲームなので言葉で説明するのは難しいのです。
作者もよくわかってないみたいです。
あとはお話がよくわかんなかったという人のために(俺もよくわかってません)世界の真理の図解を置いて黙ることにしようと思います。
作者のあとがきを読むのがてっとり早いですが自分なりにお話を説明してみます。
ゲーム的な世界に私と彼女が居ます。的なって言葉を使うのは実際にゲームの世界なのかよくわかんないからです。2人はここがゲームの世界だと理解しています。主人公役の私とボス役の彼女に分かれて確固たる動機のないRPG「ごっこ」*5を続けます。
永遠に…
やっぱりよくわかりません。
ゲーム面
放置系ゲームです。装備と行動パターンを設定してダンジョンに潜ると自動で進みます。連打ツールは要りません。
ダンジョンに行ってレベル上げ。レベルが上ったらボス戦行って次のダンジョン解放。たまに敵のドロップアイテムから装備作成。最後までコレの繰り返しです。
ゲームとは一体
難易度
Rotation Girlは難易度が低いゲームに分類されます。
経験値2倍装備が簡単に手に入ること。レベル上げてゴリ押すことが簡単なこと。
レベルが自分より10以上小さい雑魚敵を即死させるスキルがボスにも効くこと。
ライトノベル的
Rotation Girlはストーリーを読ませるゲームです。間違いありません。
ライトノベル的なストーリー*6の合間合間に放置系RPGのエッセンスが挟まれているのです。
一気読みしたいのに放置ゲーが挟まれるから一気読みできないもどかしさ。
一気読みできないからこそ彼女の葛藤や悩み*7を長く感じることができます。
「ストーリーなら最初からノベルゲームとして作ればいいんじゃない?」
こう考えるのが自然でしょう。
そんなに放置する必要ないし、放置しすぎると次の次のボスを倒せるレベルまで成長するし、敵キャラの多くは他所の版権キャラ*8に作者の没ゲームの流用にとRotation Girlらしい敵がボスの彼女くらいしかいません。
マニュアルに載ってる裏ワザを使えばなんのペナルティもなくクリア可能レベルまで一気にあげることができます。
核心
ここから核心的なネタバレと筆者の妄想に注意
いくらでも解釈の仕方が有るストーリーですが自分の考えとしてここに書いておきます。
RPG要素を盛り込む理由、それはストーリーとRPG要素が密接にリンクしてるから他なりません。
ぼっち学生に戻りたくない私がゲーム的な世界に逃避しRPGの手続きを繰り返す。「彼女」とは「私」が作り出した妄想の産物。これがストーリーの核心です。
夢から醒めたくない、虚構の世界でずっと過ごしていたい、そんな気持ちだった私の作ったゲームシステムは時間がかかる放置ゲーム形式になりました。
最初のボス戦はレベル1000になってから来いって彼女が言ってましたけど私のツッコミでレベル20に下がりましたね。これも本来は時間稼ぎをしたかったけど考えることができます。
雑魚敵がいろいろおかしいこともレベル上げ、ボス戦、次のダンジョン解放の手続きを延々とループさせる労力を少しでも減らしたかったからと見られます。
END1は無限ループで夢から醒めないエンド。
END2は彼女を倒してループが終わるエンド。
END3は上の設定はゲームの設定、ぼっちな私なんか居なかったし彼女は実在するハッピーエンド。
分岐alterENDは「彼女」と「私」の立ち位置が入れ替わったエンドでしょうか。
END1とEND2では私はぼっちで彼女は空想上の人物。alterENDはその逆。END3はふたりとも実在するってとこでしょうか。
総まとめ
世界が2つあって虚構の世界を主軸に物語が進んでいく。途中途中で本来の世界の事象がフラッシュバックする。リスペクト元の双葉の歌姫と同じですね。
ボスとの再戦時の会話が飛ばせなくてダルい。alterEND見るために初めからやり直すのダルい。RPGパートがただの作業で面白くない。などなどゲームとしてのマイナスポイントもあります。
そんなマイナスひっくり返すような読んでて面白い文章の数々。もスゲー好きにはたまらないでしょう。「ゲームとは何か」「なんの為に生きるのか」深くて言葉では簡単に表せないテーマに切り込んだゲームです。
萌え要素は強くない。エロくない。一発ネタと言うには分かり辛い。Twitterで語り合うような作品じゃない。インスタ映えしない*9。キャラ付けが分かり辛い。キャラクター数が少ない*10。
今時の二次元サブカル業界で必要とされる要素がさっぱり無い作品です。
誰かに受けるためではなく自分のやりたい事を自分勝手にやり通し形作られたものなのです。
今から遊ぶ人は全てのセリフをスクリーンショットで撮影して後で見直せる様にすることをオススメします。 後で読み返したくなるような考えさせられるセリフのオンパレードです。
ストーリーに惹かれる楽しいフリーゲームでした。興味を持たれた方は遊んでみてください。
私もこのゲームみたいな文章がかけるようになりたいものです。